傷病手当法改正案に対する強い反対

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  • 国別労働トピック:2005年1月

10月18日、少数与党の社会民主党政府は、左翼党、環境党の協力を得つつ、スウェーデンの非常に高い傷病欠勤率を低下させるため、傷病手当に対する使用者の共同出資の規定を盛り込んだ傷病手当法改正案を議会に提出した。改正法は2005年1月1日から施行される。

改正法案の主な内容は、1) 使用者は、新たに無期限で傷病手当にかかる費用の15%(3週目以降)を負担しなければならない、2) 使用者が、適切なリハビリ計画の作成、予防的傷病手当やリハビリテーション手当の支給など、傷病欠勤を減少させるための積極的措置を講じ、傷病者の職場復帰がある程度実現しているような場合、使用者は無期限で傷病手当の15%を支払う義務を免除される、3) 傷病保険に対する使用者の拠出割合を0.24%削減する、4) 使用者が傷病手当を支払わなければならない期間を現行の当初3週間から2週間に短縮する、5) 傷病休暇手当の上限を賃金の80%(現行は77%)又は月額2万5000スウェーデン・クローネ(SEK)のいずれか低い額とする――などである。

この他、特に小規模企業を保護するために「高コスト防止レベル」を設け、小規模企業の使用者は共同出資分の最初の1万2000SEKを拠出しなくともよいとされた。また、使用者は賃金総額の4%を超える費用を拠出する必要はない。

この改正は、傷病欠勤率が平均以下の国と民間企業よりも、傷病欠勤率が平均以上の地方自治体にとって負担が大きいと見られている。

政府案に対し、スウェーデン自治体協会(SK)、スウェーデン郡協議会連合(SL)、は、「政府は財政負担削減に固執する余り、その他の大切な側面を忘れている。使用者の傷病手当への共同出資が傷病欠勤率の低下に寄与する科学的根拠は一切ない」と批判した。全国公務員庁(SAV)は、「政府案は傷病欠勤率を低下させることはできない。傷病を患う人々の職業生活のみでなく、一生涯に焦点を当てて議論すべきである」として提案全てを拒絶した。スウェーデン企業連盟(SN)は、「3週目の使用者負担を廃止する点以外は、使用者に負担を押し付け、さらに行政負担も増大させるものである」として政府案を拒絶した。

スウェーデン専門職組合総連合(SACO)は、「政府案に最も欠けているのはその管理機構に関することである」と批判した。スウェーデン労働組合総連合(LO)も、「使用者の共同出資は、労働環境の改善になんら役立つものではない」と強く反対した。

政府は、使用者が負担増を回避するため、労働者ができるだけ早く職場に復帰できるよう、リハビリテーションと職場環境の改善に努力することを期待している。政府は、2008年までに傷病欠勤率を2002年の半分に減らすよう公約している。

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