リアウ島、バンドゥンで大量解雇と最低賃金政策
リアウ島や、西ジャワ州のバンドゥンにおいて、外資系企業のインドネシアからの撤退に伴い事業所が閉鎖され、大量の解雇者が出ている。12月に発表された2004年の最低賃金水準の改訂と無関係ではない。
リアウ州リアウ島ロバン工業団地に投資する外資系企業約40社は、生産拠点をインドネシアからミャンマーやベトナム、中国など、他の国に移転することを検討しており、大量解雇が予想される。1200人の労働者に影響が出るとみられている。
西ジャワ州バンドゥンでも、繊維関連企業67社が、発注数量の劇的な減少、そして生産コストの上昇を理由に、工場を閉鎖せざるをえない状況にある。倒産するバンドゥンの繊維関連会社のほとんどは外資系企業で、インドネシアから撤退し、カンボジア、ベトナムや中国へ進出することになる。一部は、賃金水準の比較的低い中ジャワへ移転することになるという。この結果、約1万人の労働者が職を失うことになる。
バンドゥン近郊の2003年の最低賃金水準は53万8000ルピア(100ルピア=1.42円、2004年2月24日現在)、中ジャワにおける最低賃金は30万ルピアであった。11月末から12月にかけて2004年の最低賃金水準の改訂額が決定し、バンドゥンは56万5000ルピアに上昇することが決定した。最低賃金の上昇に伴うコストの上昇が、さらに工場閉鎖の要因ともなる見方がある。
労働組合側は、今回の最低賃金改訂においても労働者は最低生活水準を満たすことはできないとしている。64万3000ルピアの水準は必要であるとして抗議活動を展開した。12月上旬、バンドゥンにおいて、そしてスマトラ島のメダンにおいて、数百人規模のデモ活動が、州政府庁舎前を中心に行われた。バンドゥンにおける抗議行動はエスカレートし、約1000人の労働者と200人の警察隊の衝突も生じている。これにより、労働者2人の負傷者も出たという。
だが、企業経営者にとって、最低賃金の上昇は人件費コストの上昇を意味し、結果として事業所閉鎖ということにもつながる。Social Monitoring and Early Response Unitのアセプ・スハルヤディ研究員の分析によると、約10%の実質賃金上昇に伴い、約1%の雇用が喪失するとしている。
2004年3月 インドネシアの記事一覧
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