2004年の最低賃金:ジャカルタ6.3%、東ジャワ平均9%引き上げ、バタムは交渉難航

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2004年1月1日から適用される最低賃金の更新が10月から12月にかけて各地の労使協議機関で行われた。その結果、ジャカルタ特別州の最低賃金は2003年の額から6.3%の引き上げ、東ジャワ州では平均9%、中部ジャワでは平均8%、西ジャワ州では、10~14%引き上げることが決定した。

最低賃金額決定の過程で、特にバタム島では交渉が難航した。労組と市が提案する21%と経営者の7%という数字に大きな隔たりがあり、実際の決定は12月15日までずれ込んだ。決定額は、経営者側が提示した引き上げ幅の7%をやや上回ったものの、労働者側の要求水準を大幅に下回ったものとなった。

最賃額の決定は、各地域の政労使の三者協議による決定を受けたものだが、労組側からは依然として、引き上げ幅の低さに不服を訴える向きが多い。

毎年の最低賃金額の公表は、2004年度の最低賃金(UMP)に関する知事通達という形で発布されるが、最低賃金水準を満たせない企業については、「2000年第226号労働・移住相通達」の規定に基づき、施行の10日前を期限として州知事に猶予を申請できるとしている。

インドネシアの最低賃金額は、毎年算出された最低必要生計費(KHM)を基準として協議される。労働者側は、最低必要生計費(KHM)と同水準まで最賃を引き上げてほしいと主張するが、実際の額は最低必要生計費に達しない地域も多い。バタム市において行われた三者協議では、2004年の最低必要生計費(KHM)を67万6560ルピアとすることで合意に達したが、最終的に決まった新しい最賃額は89%しか満たしていないものとなった。

最低必要生計費は、関係団体の独自の調査に基づいて算出される。よって、実際には各労働組合がそれぞれ算出した最低必要生計費と、賃金審査会の算出額とでは大きな開きがあるのが実情である。

例えば、ジャカルタ賃金審査会が実施した調査の結果によれば、最低必要生計費は69万9713ルピアとされた。一方、全インドネシア労働組合連合(SPSI)が実施した2000年の調査では、独身者の最低必要生計費でさえ83万3585ルピア、子ども3人の扶養者の場合には139万9333ルピアに上るという結果が出ている。

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