企業は下請け化で、正式雇用を回避
ブラジル国内の企業は正式採用従業員を名目上は解雇し、解雇した従業員をそのまま下請け会社の従業員に変更させ、職務を続行させていることが、ブラジル地理統計資料院(IBGE)による調査で明らかになっている。就労総人口の13%を占めるサービス提供、金融仲介業種の雇用総数は、2003年9月に、前年同月より8.6%も増加している。しかし、同期間にこの業種の平均収入は12.3%も低下した。これは、企業が従業員を解雇し、安い給料で下請け会社へ移しているからだと、調査担当者は分析している。下請け会社へ移行すると、ほとんどが非公式雇用となる。公式失業率が2003年8月は13%、9月は12.9%に達するなど高率失業の中で、この部門だけ大きく雇用が増加するのは正常ではない。
資料院の調査では、就労者のうち非公式就労が2003年9月は前年同月比で8.7%増加している。従業員は仕事を失うより、安い給料で下請け会社へ移る方を選んでいることが、調査結果に表れている。このような中、自営業者は最も困難な状態となっており、自営業者は、9月までの過去12カ月間に平均収入が19.8%低下した。就職難のために求職をあきらめて、なんらかの手段により収入を得ようと自営を試みたものの、わずかな収入しか得られないことが、自営の収入低下の原因であると資料院では説明している。
2003年9月の結果は、商業関係者をも驚かせている。各州の商業協会は、就労者の収入回復がなければ,商工業の売り上げ回復は起こらないし、経済回復も期待できないと、失望感を発表した。政府は年末の消費回復を起点にして、2004年からの経済回復に弾みをつけようと、政府の標準金利を引き下げたが、商業協会は大衆の購買力が低下しているため、効果を出せないと判断している。
全国スーパー協会は、2003年9月の売上が前年同期比で9.93%低下したと発表しており、年末景気がどこまで回復するか憂慮を持って見守っている。
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