年金スト

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  • 国別労働トピック:2004年1月

10月24日、ベルルスコーニ政府の提案する年金改革に対し、初の4時間ゼネストが実施される。今回のゼネストは、役所の部局、郵便局、医療サービスおよび学校に関しては終日、銀行は午前中、空港の地上作業員は12:30~16:30、列車は9:00~13:00、フェリーは通常営業時間の4時間遅れで、また、バス、トラムおよび地下鉄に関しても、地域別に4時間行われる。一方、25日日曜は空の便に関して、27日月曜は終日出版社および新聞社の労働者が、ストライキを実施する予定である。また、ボローニャ、ローマ、ナポリなどイタリアの主要な町のすべてで、デモ行進が行われる。

今回のストライキには、右派寄りのUGL(労働総連合)や、第3次産業フォーラムなども参加している。労働組合の反発は特に、改革案のうち、年功年金の最低拠出期間を2008年より35年から40年へ引き上げる点に集中している。ロベルト・マローニ労働社会政策大臣が、今回の抗議行動を黙視しているため、CGIL(イタリア労働総同盟)、CISL(イタリア労働者組合同盟)およびUIL(イタリア労働連合)の3大総連合は、政府が改革案を撤回するまで抵抗を続けると主張している(12月6日にも、新たにゼネストの予定)。

マローニ大臣は、27日も改革案を上院へ提出すると宣言している。改革案は、2年前に提出された社会保障委任立法案の修正という形をとることになろう。政府は、年金の受給開始を遅らせる者に対する支援措置を2004年に始動できるよう、今年中に改革案を承認したい意向である。しかし、年功年金の最低拠出期間については多数派内でも反発があり、議会での議論はかなりの難航が予想される。なお、世論調査研究の調べによると、58.5%のイタリア人が改革に反対であり、賛成派はわずか21.4%にすぎない。

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