北京市の特別労働仲裁所、一定の成果を上げる

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年3月

北京市労働争議委員会特別仲裁所(以下特別仲裁所と略記)は、2002年3月より労働争議案件を調停する業務を開始し、10月末までに約100件の争議案件を受理し、その内82案件について調停を下した。この方式は、今後、全国的に展開される見込みが高くなっている。

1. 設立目的

2002年の年初、北京市労働争議仲裁委員会は、北京市弁護士協会の協力の下、特別仲裁所を設立した。北京市弁護士会の労働法専門委員会に所属する弁護士の中から、経験と実績のある16人の弁護士を招聘し、特別仲裁所の仲裁員に任命し、2月、この16人に対する法律の解釈研修、模擬調停研修を集中的に実施した。

特別仲裁所制度は、北京市労働社会保障局と北京市司法局の支持を得ている。設立目的は、北京市の労働争議案件が急増している中で、調停業務の迅速化を図り、調停が、上下関係や人間関係に影響されること無く下されることにある。

2. 調停方法

特別仲裁所は、労働争議の当事者双方に、特別仲裁員の名簿を渡し、当事者が各々の特別仲裁員を選ぶ。選択された特別仲裁員が、受諾した場合は、書面にて通知される。特別仲裁員は、どのような場合でも、審理に際し、独立性と公平性を保証し、調停は、法に基づき公正に行われなければならない。

北京市労働争議仲裁所は、「特別仲裁員の遵守すべき規則」、「特別仲裁所規則」を制定し、審理と調停内容が、より公平性、公開性、公正性を高めるよう法的整備を進めている。

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