労働者出身の次期大統領選出
2002年10月27日に行われた第二次国政選挙で2003年1月1日に就任する次期大統領に、労働者出身のルイス・イナシオ・ダ・シルバ氏(57)、通称ルラが選出された。同氏は貧困地帯と言われる東北ペルナンブコ州の奥地で、7人兄弟の末っ子として生まれ、サンパウロに出稼ぎに出ていた父の顔を7歳で初めて見たと言う境遇に育ち、初等科5年まで教育を受けたあと、一家全員がサンパウロへ引越し、ルイス少年は、離婚して、洗濯物で家族を養っていた母の家計を助けるために通学を諦めて、靴磨きから始め、旋盤工に成長して労組運動に進み、金属労組委員長、労働党を設立して党首に就任した。過去にサンパウロ州知事候補1回、大統領候補3回落選を経験している。労働者出身、大学以下の学歴の大統領はブラジルの歴史に初めてであり、国民が労働党の主張する政見を支持したことと、ブラジルの政治が民主化されたことが、労働者出身大統領を出現させたと評価されている。
2003年1月 ブラジルの記事一覧
- サンパウロ首都圏で公式失業率9.3%の最高記録
- 加入者よりも組合数は増加
- 労組が自動ベア制度要求
- 労働者出身の次期大統領選出
- 労働党下のブラジルに対する懸念
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