加入者よりも組合数は増加

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年1月

ブラジル地理統計資料院(IBGE)は、1991年と2001年の労働組合と加入者数を比較して、労組数と加入者数は増加したが、増加率は加入者数よりも組合の増加が大きかったと結論を出した。技術更新と職種の再編成が、多くの部門で就労人口を減少させて、工業や銀行などの部門では組合数がほとんど増えていない。その代わり公務員は88年の憲法によって組合新設が容易になったために、公務員組合は同機関に192.3%も増加した。資料院はこの調査発表に当たって人口総数に対する労組加入人口は0.8%と発表しており、91年の率とほとんど変わっていない。15歳以上の経済活動人口では2001年に5.2%の加入率となっている。組合総数は7.612組合から1万1.354組合へ約2倍の増加を見せている。加入労働者数は1.540万人から1.960万人へ27.3%しか増加していない。自営労働者組合は138組合から562組合へ増加した。労働者組合を所属中央労組別に見ると、66%はCUT、19%がフォルサ・シンジカル、7%は社会民主労組、6%は労働者総連合会、2%は自営労働者中央組合所属に分かれている。この分類について、国内最大の中央労組と分類されたCUTを除いて、他の全ての中央労組が調査は間違っているとクレームをつけている。これはこれが公式指数として認められると、これを基準にして労働者保護基金からの交付金支給割合が設定されるためである。CUTでは、実際の労組活動のしていない組合の仮面がはがされたと発表して、早速66%の割へ交付金支給割合を増額するよう要求すると発表しているが、他の中央労組は、組合加入者数には全く触れずに、ただ政治的代表を設けている組合を単純に計算しただけと発表しており、フォルサ・シンジカルでは公式資料で835組合と発表されたことに、1.800組合だと抗議しており、CUT系の労働党が次期政権を握った現在、この問題は今後中央労組間で対立を生みそうな気配となった。

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