92年以来最低の失業率

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年12月

イタリアの7月の失業率が8.7%に低下した(4月に比べて0.4%減)。これは、1992年10月以来最低の数値である(ISTAT=国立統計局による労働力に関する四半期調査)。2002年7月のデータ。求職者数は、前年に比べ4.4%減少し(9万8000人減)、209万5000人となっている。求人件数は、年間でみれば0.7%増加し(17万4000件増)、また、前3四半期と比較しても0.1%増加している。7月の就業者数は、2198万4000人の増加である(27万1000人増)。ただし、就業者数の伸びは年間で1.2%増であり、従来に比べて鈍くなっている(ISTATは、北部におけるサービス部門における就業率の伸びが鈍化したためと分析している)。

就業者数は、従属労働者では増加したが(2.1%増)、独立労働者では5万3000人減少した(0.9%減)。期間の定めのない労働契約も1.5%増加したが(19万5000人増)、増加傾向がとくに顕著なのは非典型労働(有期契約ないしパートタイム契約)である(12万9000人増。率にして5.1%増)。前年同月比でみると、男性就業者数は68.6%から69.1%へ、女性就業者数は41.6%から42.4%へ増加し、性別による格差が若干解消された(27%から26.7%へ)。

以上のデータについて、政府、CISL(イタリア労働者組合同盟)およびUIL(イタリア労働連合)は、「政府のとった弾力化政策の成果」と積極的に評価している。これに対し、イタリア工業同盟(Confindustria)は、「積極的に評価できるのは、南部に関するデータのみ」としている。また、CGIL(イタリア労働総同盟)も、「EUの設定した目標に達するためには、就業率の伸びを2倍にする必要がある」と懸念を表明している。

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