労災事故の頻発に労相が警告、労災センターを全国に設置
インドネシアの労災事故発生件数が2000年以降増加している。2000年の労災事故数は6万6300件にのぼり、うち4142人が死亡、2万人が重傷を負ったと報告されている。
この事態を重く見たヤコブ労働・移住大臣は、経営者に事故防止を呼びかけるとともに、全国に労災センターを設置する方針であることを明らかにした。
労災件数が急増
1995~1999年の労災事故発生件数は年平均4万5000件で、2000年の6万6300件という数字は、これらの平均を大きく上回っている。
2002年9月16日に、ヤコブ労・移相はスラバヤ工科大学での労働安全対策に関する協力覚書に署名した際、労災件数の急増について触れ、政府の方針として、特に化学・建設分野の労働者の健康と安全に関する法令を遵守するよう、経営者への監督を強化し、労働者への適切な安全措置を講じていない経営者に対しては厳しく取り締まっていくことを明らかにした。ちなみに現在の法律では、安全措置を怠った経営者に対して最高で禁固5年の実刑が科されることになっている。
労災センターの全国設置を検討中
上記のような事態を緩和するために、政府は全国各地に労災センターを設置することを検討している。すでに2002年8月に、中部ジャワ州スマランに国内初の労災センターが設置され、続いて9月19日には2カ所目のセンターが東ジャワ州のスラバヤに開設された。
これらの労災センターは政府ではなく、国営の社会保険会社であるジャムソステックが運営する。年内にも、全国14カ所に設置、2003年までには更に25カ所を設置する予定となっている。
ジャムソステックはすでに、労働者のための病院施設の建設も開始しており(詳細は本誌2002年8月号参照)、業務の拡大傾向が見られる。
2002年12月 インドネシアの記事一覧
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関連情報
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