(香港特別行政区)政府、特別の失業給付を計画

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年11月

政府の健康・福祉・食糧局が、失業率と失業者数がともに最悪記録を更新し続ける中で、失業者を緊急に救済し、また、失業者支援のために包括社会保障支援(CSSA)にかかる負担を軽減するために、特別の失業給付を最優先して導入する計画を立てていることが明らかになった。

現行の制度では、CSSAは失業者の支援のみを目的としている訳ではなく、収入の低い家族等にもここから支援されているが、失業者はCSSAから一定の制約の下で支援を受けることができる。それは、全資産額が2万4000ドルを超えない場合で、独身者への平均支給額は1805ドルで、期間制限はない。

ところで、失業の悪化とともにCSSAの負担が増大し、CSSAの受給者数は2002年7月には過去最高の25万8000人に達し、そのうち失業給付として受給した者は3万7078人で、全体の14%に達した。

このような中で、8月になってエミリー・ラウ立法会議員から特別の失業給付が提案された。それによると、失業後6カ月で、資産調査なしに月額3300ドルの特別給付を6カ月間受給でき、6カ月経過で給付の支給は終了し、終了時点で失業者は他の手段を探すかCSSAに申し込まなければならない。また、悪用防止のため、失業者は労働局で失業登録し、定期的に同局を訪れるなどして、積極的に求職活動をしていることを示さねばならない。この計画に対する政府支出は年間約10億ドルとされる。

この提案も考慮して今回の政府計画は立案され、2002年末に明確な方針が示されることになっているが、労組や学会からは、香港経済の厳しい情勢下で支給期間に制限を設けることは非人道的だとの批判もあり、今後の成り行きが注目される。

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