中国企業協会、WTO対策人材養成プロジェクトを開始

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年10月

  中国企業家協会と中国企業聯合会は、下部組織の中国企業管理研修センターを通じ、WTO対策の人材を養成するプロジェクトを5月28日から12月31日まで実施する。

事業の背景

このプロジェクトが計画された背景には、次のような事情がある。

2001年12月のWTO加入前後より、民間の組織が、多くのWTO対策の研修を開催した。しかし、その内容は、企業のニーズと必ずしも一致していなかった。その原因は、(1)WTOの組織内容や基本原則についてのものが多く、実務的なものが少ない、(2)WTO加入の経緯に説明したものが多いが、加入後の権利と義務について説明したものが少ない、(3)世界経済に対する挑戦を概略的に述べたものは多いが、具体的な対応や措置について説明したものが少ない、(4)行政的対応を説明したものは多いが、企業がどのように戦略を立てるべきかを啓示したものが少なかったため-である。このため、経営者らは、中国企業家協会に対し、実務的に有用な研修を企画するよう要望を出していた。

2002年5月、政府は、各省の指導者を集め「国際情勢とWTO」と名づけた研究座談会を開催した。江沢民総書記は、この席で「WTO加入以後の関係業務を良好に行なうには、人材養成が重要である。特に、WTO規則に精通した人材の要請が急務である。人材の養成事業は、早急に開始しなければならない」と指摘した。また、これより先に開催された、共産党中央経済工作会議でも、江総書記は、各「単位」の指導層が、WTOの基本的原則と主な規則を熟知することと国際経済と法律に精通した人材を早急に養成することの重要性を強調していた。

こうした要望や指導を受け、中国企業家協会と中国企業聯合会は、下部組織の中国企業管理研修センターを通じ、対外貿易業務の教育に強い対外経済貿易大学の協力を得て、今回のプロジェクトを企画した。

プロジェクトの概要

このプロジェクトの目的は、WTOの基本原則と国際経済と国際法に精通した人材を養成し、企業の国際化を促進する総合管理的人材と各種の専門的人材を養成することにある。

事業期間は、2002年と2003年である。

プロジェクトは、各種の研修が中心であるが、討論会、講演、事態調査等も予定されている。

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