リーボック社がベトナムで生産開始

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年9月

米越通商協定発効による靴の輸出急増が見込まれる中、米国のリーボック社が南部ドンナイ省で4000万ドル規模の工場建設に着手した。韓国の和承グループが委託生産することになる同工場は2003年3月に完成予定で、リーボック社にとって初めてのベトナム生産拠点となる。2004年にはフル操業し、7500人を雇用する見込みである。

2002年に発効した米越通商協定により、米国への大部分の輸出品に対する関税率が40%から4~10%に引き下げられた。中でも衣服や製靴産業が同協定から最も大きな恩恵を受けると考えられている。2002年1月~5月の靴輸出(7億2200万ドル)は前年同期比で12%増、靴の対米輸出は、2002年1月~4月に4850万ドルと前年同期比で48.7%増加している。

既にナイキ、アディダス、カッパ、ティンバーランド、クラークスなどの製靴会社がベトナムに生産拠点を持っている。中でもナイキ社は年2400万足をベトナムで生産しており、これは、同社の全生産高の10%以上にあたる。ナイキ社は台湾、韓国籍の下請け企業を通して間接的に4万6000人のベトナム人労働者を雇用しており、外国投資企業の中で国内最大の雇用者である。

今後、第三国からベトナムに生産拠点を移す動きが活発になることを政府や専門家は予測しており、ナイキ社も、米越通商協定発効により、さらにベトナムにおける生産を増やすと発表している。

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