CGPME:会長の熾烈な後継者争い

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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ジャック・フレーデル会長の辞任が決まった中小企業総連盟(CGPME)は6月26日に開催された総会で、新たな代表副会長にジャン=フランソワ・ルボー氏を指名した。ルボー氏は選挙で新会長が決まるまでの期間、会長代行としてその職務を引き継ぐ。経済問題担当副会長を務めていたルボー氏の指名は、有効投票3094票中2069票(66.87%)を獲得して承認された(反対票は1025票=33.13%)。

会長を選ぶための総会は3カ月後に召集される。支持者も少なくない有力メンバーの金属産業・職業連合(UIMM)はルボー氏がフレーデル氏の跡を継ぐことを望んでいる。しかし、対立候補のロジェ・ペラ=フィネ氏がこの計画に反対している。ペラ=フィネ国内中小企業連合会長はCGPME傘下組織の各会長へ送った2002年6月21日付の決意文の中で正式に立候補を表明している。

2000年2月の会長選に約300票の差で敗れたペラ=フィネ氏は、混乱しているCGPMEの今後の方向と立場を見直すために、暫定会長へも立候補していた。ルボー氏の暫定会長を阻止する目的で行われたペラ=フィネ氏の立候補は「CGPME基本原則保護委員会」に結集した「反フレーデル派」によって支持されている。

CGPMEは、フランス企業運動(MEDEF)および手工業者連盟(UPA)と並ぶ3つの代表的な経営者団体の1つである。しかし、「現場の企業家」にきわめて積極的なMEDEFと零細企業の中にしっかりと根を下ろしているUPAとの間にあって、フレーデル会長はCGPMEの政治空間を見つけることができなかった。それに加えて、数々のスキャンダルやその専横的な運営方法にも批判の矛先が向けられた。

フレーデル氏は総会には出席しなかったが、参加者に宛てた挨拶状の中で、「会長の最大の任務はCGPMEの創設以来常に求められてきた連盟内の統一を維持することにある」と述べていた。

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