海外出稼ぎ斡旋業者13社を業務停止処分へ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年8月

労働・移住省は5月22日、インドネシア人出稼ぎ労働者の保護という目的を果たさず、海外出稼ぎ機関としての許可条件を満たしていないという理由から、13の海外出稼ぎ斡旋機関の営業許可証取り消しを行った。

「業者の8割は専門性が欠如している」

スラムシノ海外就労局長によると、この13社の他にも、海外渡航時の保険業を取り扱う保険会社6社を、業務停止処分としたということだ。現在営業中の海外出稼ぎ斡旋機関は413社で、海外渡航の保険会社は9社となった。

ヤコブ大臣は、今までも海外出稼ぎの諸問題に対し積極的に発言を繰り返してきたが、今回の措置に関しては、「出稼ぎ斡旋業者の約8割は、海外渡航に関する知識や労働・雇用契約の手続きなどの情報・専門性に乏しく、問題である」と述べている。インドネシア人の海外出稼ぎ労働者に対する虐待、賃金未払い、労働者の権利の剥奪などの問題は長い間議論されてきたが、なかなか改善されてこなかった。ヤコブ大臣は、省内の調査団による斡旋業者の調査を強化し、問題に対処したいとの意向を示している。

死亡事故も多発

スラムシノ同局長によると、2001年に海外に就労目的で出国し、海外で死亡したインドネシア人は109人にも上り、2002年では5カ月間ですでにその数65人となっている。死亡した労働者の出稼ぎ先は、サウジアラビア(17人)、シンガポール(11人)、クウェート(11人)となっている。最近の事例では、インドネシア人女性がメイドとして多く出稼ぎに出ている香港で、主人とその妻に虐待され、自殺したインドネシア人の痛ましい事件が報道されたばかりで、この問題の早急な対処が望まれている。

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