組織改革に取りかかるCGT

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年8月

ストラスブール大会でルイ・ヴィアネ氏から職務を引き継いだベルナール・チボー書記長は、それから3年を経たところで、CGTの将来に決定的な意味を持つ問題に取りかかる。すなわち、組織と運営機関の改革だ。チボー氏は、組織を活性化し、職種連盟や県連合との建設的な関係を築くために、5月15-16日に開催される全国同盟委員会(CCN)で、「執行部の縮小」と「非中央集権化」の実施について議論することを提案する。

作業グループがCGTの組織構造に関する提案を行うために、準備を進めている。チボー書記長は、「むやみに連盟を合併させようと考えているわけではない」が、31の連盟の境界については当然見直しが行われる可能性もある。チボー書記長はすでに2002年1月30日に行われた前回のCCNのときに、「労働者が我々の組織形態に適合してくれるのを空しく待つのではなく、労働者を組織するために、さまざまな措置を講じる必要がある」と指摘し、問題を提起していた。

2003年3月にモンペリエで開催される第47回大会とは直接的に関係がないが、15日と16日のCCNは指導部の機能の仕方に関して報告を行う。書記長は、10人程度(現在は17人)の同盟事務局と「規模を縮小した」執行委員会(現在は87人)が時代の必要に適合していると考えている。書記長が実現したいと考えている再編計画は、資金的な問題も無関係ではない。

もちろん、新執行部の構造が組織を脆弱化させるものであってはならない。それはCGTの政治的な均衡に傷をつける。長年の伝統により、執行委員会は、女性(1999年から同数)、大連盟(エネルギー、化学、金属、公務員等)、共産党員、そして優先順位は低くなるが、左派のキリスト教関係者を加えることが求められてきた。執行委員会には共産党の指導者の他に、長い間現役の聖職者も含まれてきたのである。

チボー書記長は旧来のこのような微妙な割り当ての慣習を一掃したいと考えている。とは言え、すべての組織が既得権を容易に諦めるとも考えられない。農産物加工連盟、建設連盟、そして化学連盟は依然として改革に対する抵抗勢力だ。そして、CGTが公式に共産党との距離を開けているときに、エネルギー連盟の「ボス」であるドゥニ・コーエン氏が組合のデモでロベール・ユー共産党書記長と並んで現れた事実は、改革の前途が決して楽観できないことを示している

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