投資委員会(BOI)、日本の投資家に期待

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年6月

タイ投資委員会(BOI)は、2002年4月1日、中国への投資移転が懸念される日本の投資家に対して、「サービス志向戦略」で、「技術集約的なプロジェクト」をアピールしていく方針を明らかにした。

「サービス」と「技術」が鍵

BOIソンポン事務局長は、「外資系企業にとって、中国が最も人気のある投資先になりつつある現在、タイは日本の直接投資を更に呼びこむ積極的な方策や、ネットワーク作りを模索している」と語った。

日本とタイとの投資関係

BOIが認可したプロジェクト総額と件数は、ここ数年日本が1位となっている。BOI認可プロジェクト件数は2001年で275件、59億バーツとなっている(詳細は2002年4月号)。タイ銀行によると、日本からタイへの直接投資額は2001年で12億米ドルで、タイの直接投資額の45%を占めている。日本にとっての投資額の1位は中国で、タイは2位となっている。

BOI総局長は、ここ数年間はタイが日本の投資先の第2位でありつづけるであろうとの見通しを立てている。

外国投資家にとってタイは相対的によい環境

Abac(Research institute of Assumption Business Administration College)が行った東南アジアの国々と中国の571の外資系企業を対象にした調査結果によると、タイは外資に対する投資優遇政策が最も優れているとの評価を得た。また、労働者の質も、当該国の中では「最も高い」との評価を受けている。原材料の豊富さという視点からも2位につけており、相対的に外資に対して「友好的」な環境であるといえるだろう。

一方、否定的な意見としては、汚職・癒着が多い(2位)、交通渋滞がひどい(1位)、汚染がひどい(1位)、構造改革の進捗の遅さ(2位)などがあがっている。

以下、順に外資系企業の従業員の満足度が50%以上だった項目を挙げると、食料品価格(88%が満足と回答、以下同)、生活水準(75%)、タイ人労働者の勤労に対する態度(64%)、インフラ制度(61%)、交通の利便性(51%)、公共料金(68%)、生活と資産の安全性(63%)、生活の自由度(64%)、政治的安定(56%)、税率(53%)、ビジネス経営のパートナーの質(57%)、ビジネス拡大の可能性(63%)、となっている。

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