失業、1970人半ば以来の低水準

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年6月

政府統計局が4月17日に発表した報告によると、3月の求職手当申請者数は6000人減少して93万9600人となり、1970年代半ば以来の低水準となった。対前年比でも4万5000人減少しており、ブラウン雇用年金担当閣外相は、世界経済の低迷の影響を受けながらも英国の労働市場はなお堅調であるとコメントしている。

就業者数も2月までの3カ月間に3万人増えて2840万人となり、1979年に記録を取り始めて以来最高水準となった。ただし、製造業の就業者数については、同期に6万4000人減少して370万人となり、1978年に記録を取り始めて以来最低水準となった。

求職手当申請者数をもとにした3月の失業率は3.1%で、前月と同じであった。ILO基準では5.1%で、同失業者数は年初3カ月間に1万4000人減って、152万人となった。失業水準はILO基準でも、1979年来最低水準である。

労働市場が堅調である要因としては、サービス部門、とくに公共部門が雇用を増やしている点が上げられる。教育や医療など労働集約的な公共部門で就労者数は10万人増えて約700万人に達している。また、経済界が経済の低迷は短期的と見て、人員削減を控えている点も良好な雇用情勢に寄与している。

失業水準が低いにもかかわらず、賃金水準は上がっていない。2月までの3カ月間の賃金上昇率はわずかに1.9%で、これも記録を取り始めて以来最低水準である。

ブラウン雇用年金担当閣外相は、低インフレ、健全な公共投資、ポイントを絞った雇用政策という政府の努力が労働市場の堅調さに寄与していると自信をのぞかせている。

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