2002年に4万人以上の労働者を海外派遣予定

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

ベトナムの記事一覧

  • 国別労働トピック:2002年5月

労働・傷病兵・社会問題省(MoLISA)の海外労働者管理局長は、2002年には4万~4万5000人の派遣が可能だとして、以下のように述べた。今年も日本や韓国はベトナム人労働者を受け入れる。一方、台湾市場は、家政婦および医療スタッフが不足している。現在、約1万6000人の労働者が台湾で働いている。新しい市場として、マレーシアがあり、介護、建設、木材加工、縫製および農業で約1万6000人の労働力を必要としている。

このほかに派遣先としてシンガポール、ロシア、デュバイ、アラブ首長国連邦、アイルランド、ギリシャ、チェコ、リビアなどがある。現在、ロシアには8万人が働いており、多くの農場や極東での石油開発でベトナム人労働者を必要としている。シンガポールでは、労働者、コンピューター技術者およびソフトウエアプログラマーを必要としている。

労働者派遣の許可を受けた159の企業のうち、17社は2001年に500?3500人を派遣した。他の30社は100?500人を派遣した。残りの大多数の企業は海外派遣業務を十分に行っておらず、再編されたり、免許取消になる可能性がある。

農村部の貧困克服に貢献

国内で貯蓄する余裕のない多くの貧困者にとって海外で数年就労することは、貧困脱出への有効な手段となっている。個人だけではなく、地域ぐるみで海外労働者派遣を貧困克服に役立てている例もある。ハティン省のギスアン地区のある村は土地が疲弊しており、2,3年前には村民の45%以上が貧困状態にある国内でも最も貧しい村であったが、家族の海外からの送金により多くの人々が貧困から脱出した。この地域の人民委員会は海外労働者派遣に活路を見出し、村民対象の職業訓練を行い、海外労働者派遣会社と協力して海外派遣を進めた。これまでに村民のうち約1000人が海外へ派遣され、毎年、約300億ドンの送金を受けている。村のインフラは改善され、学校や電力供給設備なども建設された。

MoLISAによると、海外に派遣された労働者は、2001年に合計13億ドルをベトナムに送金している。これは輸出(外貨獲得源)の中では第5位に位置し、原油(31億ドル)、繊維・衣服(20億ドル)、水産物(18億ドル)、靴(15億ドル)に次ぐ。

2002年5月 ベトナムの記事一覧

関連情報