ベトナム人労働者、20万人雇用
政府は、今後数カ月以内にベトナム人労働者を最大で20万人受け入れる方針を固めた。1月にインドネシア人労働者が起こした一連の暴動事件を重く見て、政府は、外国人労働者の大半を占めているインドネシア人労働者を削減し、労働力供給国を多様化する方針を打ち出していたが、今回の措置もその一環である(本誌2002年4月号参照)。
フォン人的資源相によれば、3月中にマレーシアとベトナム両政府の公式協議で「雇用ガイドラインについての覚書」を策定し、できるだけ早い時期に調印する。
実現した場合、受け入れたベトナム人労働者は建設とプランテーションの2部門で就労することになる。政府は「暴動事件」後に、インドネシア人労働者への依存を緩和するため、労働力供給国を多様化する方針とともに、外国人労働者の就労部門を出身国毎に振り分ける方針も打ち出し、インドネシア人労働者についてはメイドとプランテーション部門に制限した。インドネシア人労働者に頼ってきた建設部門では近い将来人員確保に支障をきたすことが予想されるため、ベトナム人労働者を「代替要員」に選んだ模様だ。
ベトナム人労働者を受け入れる際の留意点としてフォン大臣は、会話能力を確保するとともに、多民族国家としてのマレーシア社会に対する理解を深めてもらうため、何らかの仕組みを準備する必要があると述べた。また賃金については、マレーシア人とのバランスを欠いてはならないとの考えを示している。
2002年1月現在、マレーシアに登録されている外国人労働者の総数は約77万人で、うちインドネシア人が56万7000人、バングラデシュ人が10万5000人、ネパール人が5万人、フィリピン人が1万7000人、ミャンマー人が6500人、タイ人が2400人、パキスタン人が2200人、その他(インド、スリランカ、カンボジア)が2万人となっている。合法以外に不法就労外国人がさらに100万人いると言われている。
暴動事件以後、政府は外国人労働者の取り締まりを強化しているが、その一環として内務省は、外国人労働者の個別情報をデータ・バンク化する計画を進めている。
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