MTUC役員選挙、ランパック氏が委員長に再選

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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マレーシア労働組合会議(MTUC)の役員選挙が3月6日に行われ、委員長に運輸労組(TWU)委員長のザイナル・ランパック氏が再選された。1985年に故P.P.ナラヤナン氏にかわって委員長に就いて以来、9回連続の当選となる。ただし、選挙前に結んだ協定により、同氏の任期は正規の2年ではなく、今年の12月31日までで、後任には委員長代行のシャフィー氏が就くことになっている。

過去3回の委員長選と同様に、今回もランパック氏とサイード・シャヒル氏(全国輸送機器合同産業労組)の一騎打ちとなった。ランパック氏が勝利したものの、両者の得票数は、前回の301対154から今回の310対226へと縮まった。ランパック氏の求心力が急速に低下しつつあるためだ。

事実、今回の役員選挙は当初から、ここ数年路線対立が顕在化していたランパック氏とMTUCナンバー2のラジャセカラン氏(書記長再選)の「代理戦争」として位置づけられ、役員選候補者の大半がいずれかのグループに属して選挙戦を戦った。全17ポスト中、ランパック派が6、ラジャセカラン派が9、中立派が2という結果となり、ランパック時代の終焉を印象づけることになった。

ランパック氏の任期は正規の2年ではなく本年末まで。選挙前に、委員長の有力候補であったシャフィー氏(委員長代行再選)との間で、同氏が立候補を取り下げれば自分の任期は今年一杯までとする旨の協定を結んだためである。次期委員長はシャフィー氏が引き継ぐ。

今回決まったMTUCの新役員は次の通り。

  • 委員長=ザイナル・ランパック(運輸労組)
  • 委員長代行=モフド・シャフィー・マッマル(全国情報通信従業員組合)
  • 書記長=G. ラジャセカラン(金属産業労組)
  • 書記長代行=ハリム・マンソール(全国石油・化学労組)
  • 会計書記=A.シヴァナンサン(セランゴール/連邦直轄区繊維衣料製造労働者組合)
  • 会計書記代行=アブドゥ・マジドゥ(全国情報通信従業員組合)
  • 副委員長=民間部門5名、政府部門3名、法定団体部門3名

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