米国経営者に匹敵する報酬を得ているフランスの経営者

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年5月

投資顧問を専門とする小企業プロクスインヴェストが、「CAC40(パリ証券取引所上場の40社の平均株価を表す指数:AXA、フランステレコム、LVMHなど優良企業が並ぶ)企業の役員報酬」と題する調査結果を発表した。この株主用資料は、役員のコストとその貢献度との間のバランスを検討するために作成された。

調査は上場フランス企業の役員報酬がインフレ気味だと強調している。「2000年には平均すると、株価は不振だったが、CAC40の主要企業の473人の役員は固定報酬とオプション報酬の平均で36%増大させ、合計228万9446万ユーロを受け取った。2000年と2001年は株式相場が低迷した年であるが、役員報酬は急騰している」。

フランスの経営トップは英米と比べると受け取る報酬額は低いとの評判だったが、その水準はいまや米国に追いついてしまったかのようだ。プロクスインヴェストによると、合計報酬額を発表しているフランスの17人の社長は平均すると、年額最低賃金(SMIC)の498倍相当額を手にしていた。一方、米国の経営者は「ビジネスウィーク」誌によると、2000年に米国の基本賃金の531倍相当額を受け取った。AFL-CIOのサイトから引用すると、米国の社長は1980年代には平均的なブルーカラー労働者の42倍を稼ぐにすぎなかったが、1990年代に85倍になり、2000年には531倍を記録したという。

2000年の報酬額に基づくと、フランスで最も気前の良い企業は、ダッソーシステム(電子設計)、ラガルデール(情報技術)、TF1(放送)、デクシア(金融)、シュネデール・エレクトリック(電機)、AXA(保険)などだが、オプション報酬の変動幅が大きいので、数字を信用しすぎるわけにはいかない。プロクスインヴェストによると、報酬額と自己資本収益率との間の関係は薄いが、従業員数、売上高、そして株式の時価総額とは深い関係が存在するという。

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