公共サービス改革の「破壊者」発言をめぐり労組が首相に反発

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年4月

ブレア首相は2月3日の労働党春季大会の演説で、一部の労組と党の活動家が保守党と結び、政府が進めている公共サービス改革を頓挫させようとしていると述べ、これら「破壊者(wrecker)」「小文字のcではじまる保守派(conservative)」は断固打破しなければならないと厳しく非難した。

医療や教育など公共サービスの改善は、昨年6月に二期目の政権担当を果たしたブレア労働党の優先課題だが(注1)、民営化もふくめて大胆に民間活力を導入する方針であることから、公共部門と関連のある労組や党員らは反対してきた(本誌2001年8、10、12月)。

首相の今回の「破壊者」発言に対して、労組は強く反発し撤回を求めている。これまで改革反対のキャンペーンを張ってきた全国都市一般労組(GMB)は、首相の発言のあった翌日、看護婦の横に「彼女は破壊者の一人なのでしょうか」と書かれた広告を新聞に載せた。また英国最大の公共部門労組ユニソン(Unison)のデーヴィッド・プレンティス書記長は、ユニソンは「小文字のc保守派」では断じてない、と首相の発言に不快感を露わにした。

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