デルタ航空客室乗務員組織化に失敗

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

アメリカの記事一覧

  • 国別労働トピック:2002年4月

2002年2月1日に行われた代表選挙で、デルタ航空客室乗務員は組織化を否決、4年に及ぶ組織化努力は実らなかった。全国調停委員会(NMB)(注:鉄道・航空会社に適用される鉄道労働法の下で代表選挙や争議調停を行う)によれば、投票権を持つ1万9033人の約29%にあたる5520人が組織化に賛成票(反対は89票)を投じたが、組織化に必要な過半数票(9517票)に足りなかった。法律上、棄権票が全て反対票として数えられるためである。

全米第3位のデルタ航空は大手航空会社の中で客室乗務員が組織化されていない唯一の会社で、同社の主要な職種の中で組織化されているのはパイロットだけである。組織化を阻み続けてきた同社で組織化が成功すれば、労組全般の勢力拡大につながるとして期待されていた。しかし同社は組織化阻止のキャンペーンを開始し、客室乗務員に票を破り捨てるように促すなどして反対票を積み増した。

客室乗務員労組(AFA)のパトリシア・フレンド委員長は、デルタ航空が客室乗務員に対し、労組を支持しないように不当な干渉をしたと主張している。AFAによると、客室乗務員の上司から、本来違法とされている、組合支持に関する質問をされたり、組合を支持すれば仕事を失うことになるという手紙やビデオを自宅に送られていた。投票を監督したNMBは、今後、労組の主張について調査し、違法性が認められれば今回の投票結果を無効とし、投票のやり直しを命じることになる。NMBは2001年の秋に同社がそのような干渉をおこなっていた一応の証拠(prima facie evidence)を確認していたが、投票結果を待って本格的な調査を開始することにしていた。

2002年4月 アメリカの記事一覧

関連情報