CFDTとUPAが中小企業の労使対話促進に意欲

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年2月

中小企業の週35時間制については柔軟に適用するべきだという意見が経済界には少なくないが、11月29日付のフィガロ紙に掲載されたインタビュー記事の中で、ギグー雇用相は「中小企業における労働者の代表権と彼らの権利の保護が次期国会の課題の1つになる」と述べた。これに対し、民主労働同盟(CFDT)の主導でラ・デファンスのグランダルデッシュ(オー・ド・セーヌ県)に集まった100部門以上の2000人ほどの中小企業労働者が12月1日に、「小企業で働いているからといって、わずかな社会的権利で我慢しなければならない理由はない」と雇用相の言葉に呼応した。

ノタCFDT書記長は、集まった多数の従業員代表や組合代表を前に、「CFDTは他の分野と同様に中小企業でも労使対話が労使にとって有意義だと実証していきたいと考えている」と語った。

その信念は一部の中小企業経営者にも引き継がれている。手工業者連盟(UPA)のロベール・ビュゲ会長は「獲得するべき新たな権利」に関して、「中小企業の労働者も大企業と同じ労働条件および権利を享受する必要がある。さもないと、労働者は中小企業を見捨てていくだろうし、採用もままならないだろう」と指摘した。同氏は、「中小企業は労使関係の分野では依然として恵まれた環境にあるが、雇用保障や社会保障の分野では著しく遅れている」と見ている。

世論調査会社IFOPの調査結果によると、中小企業の労働者は職場の雰囲気(87%)や労働条件(78%)については支持していても、賃金(51%)や権利の無視(43%)には不満を抱き、雇用の保護(78%)、職業訓練へのアクセス(74%)、賃金の改善(68%)を今後の優先課題と見ている。

UPAは労使対話の改善に関する交渉を開始するとともに、地方や全国の交渉に参加する労働者を訓練する目的で、中小企業から賃金総額の0.15%を徴収して共済基金の創設するために、5労働団体(CGT、CFDT、FO、CFTC、CGC)と協約を締結する準備を進めている。

ビュゲ氏は、「我々が企業を発展させたいのであれば、中小企業労働者の保障と権利を改善する必要がある」と述べ、意見を異にする中小企業総連盟(CGPME)へも協力を求めた。

この集会はCFDTに中小企業におけるプレゼンス強化の意思を再確認させることになった。ノタ書記長特有の言葉によると中小企業は「組合砂漠」の領域である。ノタ書記長は、週35時間制が労働運動と中小企業の対話を促進させたことに喜びを表現しながら、「労働時間短縮が労働運動―とりわけ長年の間この要求を掲げてきたCFDT―の最も輝かしい勝利である」と評価した。

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