外国人不法労働者、取締りを強化

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年12月

インドネシア福祉労働者組合(SBSI)は2001年8月28日、ジャカルタのホテルウィサタで行われた討論会で、多くの労働者が契約社員として不当な扱いを受けていることに言及し、契約社員雇用の規定を強化するよう政府に要請することを約束した。

SBSIのパクパハン議長は、9500万人の労働人口のうち、正社員が受けているような福利厚生を受けられない契約条件のもとで働く人々が、全国に約500万人いると推定している。契約社員の多くが未熟練労働者で、単純労働に従事、銀行業や電気産業、繊維・縫製業や鉱業で多く雇用されている。

具体的にSBSIでは、契約社員の雇用に関する1993年第2号労働大臣令と、石油ガス部門の労働契約に関する1995年第5号労働大臣令の2つに関して、政府に廃止を求めていく考えであることを明らかにした。

この大臣令のもとでは、企業は契約社員を最大3年雇用することができる。その期間を超えた場合、使用者はその社員を正社員として再雇用するか、解雇するかの選択を行わなくてはならない。また、契約社員としての雇用形態は、季節的な労働または訓練生のみとしている。

しかし、実際は使用者側が労働者に対して、同じ労働条件の契約社員として再応募するか、そうでなければ辞職を選択させ、労働者は失業よりはと前者を選ぶケースがほとんどである。そして、この傾向は鉱業、特に外資系企業で多く見られる慣行であると言われている。

SBSIのスポークスマンによると、インドネシアの企業の多くは、正社員に行うべき様々な経済的支払いを避けるために、契約社員を多く登用しているという。年金や社会保障も契約社員には適用されない。

労働・移住省では同令の見直しを検討中であるが、SBSIが主張するような廃止には至らない模様。契約社員が今まで得られなかった福利厚生制度を強化するような方向にあるとしている。

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