CFDT:ノタ書記長が次期大会で退任

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年12月

これから2003年初頭までの間に、労働団体と経営者団体の多くでトップの交替が予定されており、労使関係はその意味で後継者争いのデリケートな時期に入る。

その幕を切って落としたのが民主労働同盟(CFDT)だ。CFDTの全国事務局は9月18日の会議でにノタ書記長の後継者について議論しなければならなかった。前日、ノタ書記長が来年5月に開催されるナントの第45回大会で退任する意思を正式に表明したからである。ノタ氏は欧州労連(ETUC)のナンバーワンであるエミリオ・ガバリオ書記長から2003年に後を継ぐことを求められており、すでにドイツとイタリアの各労組からも支持を獲得している。CFDT書記長を退任して、今後この問題のために拘束を受けずに動ける自由な立場を望んだとも言える。

驚くべきことではないが、次の書記長にはフランソワ・シェレック保健・福祉連盟(FSS)書記長(45歳)が就任するものと見られている。エドモン・メール時代のCFDT幹部で、その後ロカール政府の転職担当大臣補佐を務めたジャック・シェレック氏が、同氏の父である。全国事務局はすでに同氏の立候補を正式に受理した。

ノタ書記長は早くに退任を発表することで、シェレック氏に平穏な「政権交代」を行うための6カ月の準備時間を与えた。とりあえず、同氏は10月の全国評議会で「政府」に相当する執行委員会のメンバーに加わることになる。

シェレック氏はチームも編成しなければならない。ノタ氏退任にともない、一部の側近が指導部を退く可能性があるからだ。国際問題担当のジャン=フランソワ・トログリック氏、あるいは通信と移民の責任者であるミシェル・カロン氏の退任が取りざたされている。

シェレック氏はCFDTの中にあって早くから頭角を現し、1996年2月からはFSSを率いてきた。組合員11万3000人のFSSはCFDTの中で最大規模の連盟だ。同じくCFDT傘下のサービス連盟とともに、組合員の勧誘を専門に担当する「デベロッパー」を内部に配置するという実験的な試みが成功したことで、シェレック氏の名声はさらに高まった。

忠実なノタ主義者であるシェレック氏はFSSを揺るがした1988年の危機(一部の活動家が脱退)とも個人的にはかかわっていない。内部危機の後の企業委員会選挙で敗れ、その後急速に影響力を低下させていった郵便・電気通信(PTT)連盟とは異なり、FSSはみごとな立ち直りを示した。FSSは病院公務部門の企業委員会選挙で労働総同盟(CGT)に次ぐ第2位を占めるほか、民間衛生・福祉部門ではトップの座にある。

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