広州市の賃金水準は全国十大都市のトップ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

中国の記事一覧

  • 国別労働トピック:2001年10月

中国では「広州人」は金持ちの代名詞である。実際のところ、「広州人」なら誰でも金持ちというわけではないが、確かに金の使いぶりは良い。関係方面の調査によると、今年の1月から5月の間で、広州市民の支出は、昨年同期と比較して、医療費が47.9%、サービス業に29.6%、交通、通信代が17.2%、家庭用品類が17%とそれぞれ増加している。

広州市統計局人口・労働部門によれば、広州市の給与水準は全国十大都市の首位を占めている。在職労働者の平均賃金(2000年度)の上位三都市は、広州市(19674元)、上海市(18531元)、北京市(16350元)で、広州市の平均賃金は十大都市中最下位の重慶市の1.45倍にあたる。その他、無職者の生活費用も広州市は十大都市の最高額で6188元に達し、2位の北京市の4736元に比べると30.7%も高い。

ここ数年、広州人の消費性向に変化が起きている。広州市一般家庭を対象としたサンプリング調査が示すところでは、「第9次5カ年計画」(1996年~2000年)期間中、広州市民の交通、通信、医療サービス、教育、住居など消費面の支出の増加が加速し、2000年の個人消費支出は1万1349.47元で、1995年より49.3%増加した。また、同時期の住居とサービス業に関する個人平均支出は3628.11元で、1995年の1.29倍に増加した。

広州人は特に住宅とサービス業については金を惜しまない。調査によれば、2000年度、住宅およびサービス業での出費は広州市民個人平均支出の32%を占め、1995年と比較して11.9%増加した。

広州人が金遣いに余裕があるのはもう一つ、銀行の個人向け融資という拠り所に支えられているからで、主なものは住宅と自動車のための貸付である。中国人民銀行広州支店の資料によれば、2001年初頭、広州市の個人向け貸付金残高は346億元に達し、2000年初頭に比べて70%、金額で143億元増加した。この346億元のうち、個人向け住宅用貸付が336億元で貸付金残高の97%占めているが、現在は、自動車用貸付の増加が加速している。業界の話では、2000年1年間で広州市では9000台以上の新車が使用され始めたが、うち70%が自家用車である。現在、広州市の自家用車は約10万台だが、1998年から2000年までの平均伸び率は年間15%であり、今後1年から3年の間に、年間1万台以上増加すると予測されている。

2001年10月 中国の記事一覧

関連情報