ブラジルの人口、世界第5位

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年8月

ブラジル地理統計院(IBGE)は、2000年の人口調査の結果を逐次発表しているが、5月10日第2回目の発表を行った。この発表のトピックは以下のとおり。

  1. ブラジルの総人口は、1億6959万693人で世界第5位を占めている。この数は世界人口61億人の2.8%に当たる。1位は中国(12億8000万)、2位はインド(10億1000万)、3位はアメリカ合衆国(2億7500万)、4位はインドネシア(2億2500万)であった。
  2. ただし、アメリカ合衆国を除いてブラジルが多人口国と異なるのは、その人口密度で、中国が134人/K㎡、インドが304人/K㎡、インドネシアが119人/K㎡といずれも高いのに対して、ブラジルはアメリカ合衆国(29.3人/K㎡)より低い19.9人/K㎡である。
  3. 人口の男女差は、男性は8344万7074人で、女性は8614万3619人、男性96.8に対して女性100の割合にな  る。ところが、この比率は1万人以下の人口を有する市について見ると男性105対女性100、50万人以上を有する市について見ると、男性91に対して女性100の割合になる。
    この点についてのIBGEの解釈は、大都市では暴力の増大で男性の死亡率が増えているからと言うのであるが、この解釈はちょっと首を傾げるものの、大都市の生活が困難であって、これが男性人口の相対的低下をもたらすとは言えるかもしれない。
  4. 人口の都市集中は依然として強く、全国5507市(ブラジルでは人口で市町村の区別をせず、地方行政の最低単位はムニシッピオでこれを仮に市と訳した)の中、上位224市のみで、人口の50%8600万人を占める。全国的に農村地域に住む人口は3183万5550人(18.8%)、都市地域に住む人口は1億3775万5143人(81.2%)で人口の8割以上は都市地域に住んでいる。

人口1000万人以上を有する州を上位から並べると

1位 サンパウロ州、3626万9476人

2位 ミナス・ジェライス州、1786万6402人

3位 リオデジャネイロ州、1436万7083人

4位 バイオ州、1306万6916人

5位 南リオ・グランデ州、1018万1749人

古都サルバドールを州都とし、ブラジルで一番早く開けたバイア州を除くと、いずれも南東部、南部である。

  1. 60年代、70年代、80年代に顕著であった大都市への人口集中はようやく下火となり、代わって、人口10万から50万人の中都市の人口増加率が著しくなって2%を越えている。これに反して、例えばサンパウロ市、リオデジャネイロ市べロオリゾンテ市の人口増加率は全国平均年間1.6%より低く、それぞれ0.85%、0.73%、1.13%に止まった。

IBGEは、この数字は、少なくとも、大都市がかつて有していた魅力を失ったと解説している。しかし、人口1万人以下の停 滞は相変わらずであり、これらの市の37.27%は人口が減少している。

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