楽観論目立つ今後の雇用見通し

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年6月

株式市場に不安はあるが、フランスの雇用は、2001年の予測にしても、昨年の総括にしても、依然楽観的である。雇用省が3月15日に発表した最新の統計によると、2000年第4四半期に13万4200人(対前年比+0.9%)の雇用が創出された。したがって、2000年全体では、50万6300ポスト(対前年期比+3.6%)が創設された。これは過去30年間で最高の記録だ。部門別で見ると、第3次部門が37万9000ポストを創出してトップにランクされ、その後に製造業(対前年比+6万6400人)と建設業(対前年比+6万600人)が続いている。

したがって、農業、教育、保健衛生、ソーシャルワークを除く競争部門の労働者数は1472万8600人に達した。同じ日に、全国商工業雇用協会(UNEDIC)(ほとんどの公営企業と準公営企業を包括しているので、若干管轄範囲が異なる)は、2000年第4四半期に1.1%(16万3900人)、年間で4.5%(67万6100人)の雇用が創出されたと発表した。そして、UNEDICは2001年にも35万5000人(対前年比+2.3%)、2002年には34万7000人(対前年比+2.2%)の雇用創出を期待している。

しかし、経営側と民主労働同盟(CFDT)、キリスト教労働者同盟(CFTC)、管理職総同盟(CGC)の労働側が合意した雇用復帰援助制度(PARE)が実施されることで、2002年には雇用の2.6%(6万5000人)の伸びが可能だ。また、この制度により、失業の一層の減少も期待されている。政府はPAREをまだ正式には承認していないが、新失業保険協約はすでにUNEDICへ影響を与え始めている。すなわち、保険料の引き下げと手当の逓減性の廃止によって、黒字幅は著しく縮小することになる。

13日に国立雇用紹介所(ANPE)は独自の推計を発表した。2000年12月に1万3500企業を対象に電話聞き取り調査を実施した結果、36%の企業は「2001年に事業が拡大する」と見てお り、26%は「採用を予定している」と答えた。ANPEでは、「フランスの企業は自らの市場の未来に自信をもっており、過去何年かのように景気だけに影響されることはない」と説明する。楽観主義は地域や企業の規模によって異なる。この観点で見ると、イル・ド・フランス地方で設備材を専門とする従業員200人以上の企業の方が、ブルゴーニュ地方で食品業を営 む中小企業よりも、楽観的だと言えそうだ。

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