ハンガリー/2000年に実質賃金が緩やかに上昇

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年5月

ハンガリー国立統計局の最近の発表は以下のように報告している。「賃金格差が拡大している。実質賃金の上昇がインフレ率よりも低く、2000年の9ヵ月間における実質賃金の上昇率はわずか1.4%に過ぎない」(注1)

2000 年1月から9月までの期間で雇用人口が20%増加した。これは、ハンガリー全体で従業員 数5人以上の企業が271万7000人を雇用しているということである。各部門を比較すると、雇用が増加し たのは競争部門で、公共部門では雇用が減少した。

賃金の評価では、上記期間における賃金支給総額の伸びは13.1%、純賃金の伸びは11.1%、実質賃金の伸びは1.4%であった。国立統計局は、総賃金支給額の伸びに比べて純賃金の伸びが弱い原因は、税金の上昇にあると見ている。

各部門の賃金上昇率を比較すると、以下のような傾向が分かる。公共部門では賃金上昇が10.8%であったのに対し、競争部門の被雇用者は14.2%の総賃金支給額の引き上げを得た。全国の名目賃金の平均月額は、当該期間(2000年1月から9月まで)に8万3090フォリントの水準まで上昇した(1円=2.6フォリント)。競争部門の名目賃金の平均月額は8万4810フォリント、公共部門は79,460フォリントであった。いくつかのハンガリー経済部門においては賃金水準が全国平均に達していないことを指摘しておかなければならない。最も賃金が低かったのはソーシャルケア部門で、平均月額が50,000フォリント未満であった。織物、布地、靴などの産業部門は5万2110フォリントであった。最も高かった金融部門で、18万3550フォリント、2番目に高かったのが化学産業部門で、12万2260フォリントであった。 電気エネルギー、ガス、水、および鉱業などの部門で比較的高い賃金が支払われた(平均で11万2000フォリント)。以下の表はハンガリー経済における部門別・業種別の月当たり総賃金を示したものである。

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