日系企業の対タイ投資290億バーツ、前年比47.1%増しの見通し

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

タイの記事一覧

  • 国別労働トピック:2001年4月

バンコク日本人商工会議所の「2000年秋期日系企業景気動向調査」が1月31日発表された。この調査は、商工会議所のメンバー1146企業のうち315社の回答をもとに作成されたもので、これによると、2001年の投資予定額は総計約290億バーツ(1バーツ=2.81円)に上る見込みで、これは前年度比47.1%の増加となる。大辻会長は、競争の激化は、日系企業にさらなる投資を促し、他者との競争に追いつくためさらに生産を増加させることを意味している、と語った。そして、タイ政府は毎年タイ経済に何10億バーツもの資金をもたらす外国投資と日本企業に対して、スムーズな投資環境を維持すべきだとも述べている。

タイではAFTAとWTOの影響によって、貿易自由化の流れが進んでいる。2000年に比べて2001年の上半期に経営状況が改善しそうだと答えた企業は52%で、前年同期の調査の71%に比べて急落している。しかし、2000年後期の48%からは若干増加している。日系企業が抱える経営上の懸念材料の上位10項は以下の通りで、トップスリーは「為替変動」、「競争の激化」、バーツ安による「原材料価格の上昇」が挙がっている(表参照)。また、回答者の73%が2001年の売上増加を見込んでいるが、前年の80%を下回っている。

2001年の投資計画を見てみると、第1位は前年比354.5%増の59億バーツの投資が見こまれる化学産業、第2位は前年比77.8%アップで14億バーツが見込まれるテキスタイル産業、第3位は、伸び率は前年比1%であるものの毎年投資額の大きい電気機械産業で10億バーツとなっている。

在タイ日本企業の貿易相手国の第1位は ASEAN 地域、次いで日本22%、中国、アメリカがそれぞれ12%となっている。

日系企業の懸念材料(%)(通貨単位:元)

1位 為替変動 25.0
2位 競争の激化 18.6
3位 原材料価格の上昇 10.0
4位 人材不足 8.1
5位 税金問題(VATなど) 4.2
6位 輸入税 3.8
7位 国内でのパーツ調達 3.7
8位 資金収集の困難 3.0
9位 社会的・政治的j不安低 2.9
10位 生産調達 2.7
11位 その他 17.9

関連情報