2000年の労組組織率、記録上最低の13.5%

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年4月

雇用者総数に対する労働組合組織率は、2000年に13.5%に低下し、政府が1983年(組 織率20.1%)に統計を取り始めて以来、最低になった。労働組合員総数も1999年の1650万人から1630万人に減少した。労組は、一時解雇の影響を受けにくい公共部門で高い組織率を維持しており、同部門での組織率を1999年の37.3%から37.5%に上昇させた。しかし、経済成長に陰りが見え始めた民間部門での組織率は、1999年の9.5%から9.0%に低 下した。背景として、歴史的に組織率が高い製造業や運送業が、近年、人員削減を続けているうえ、雇用者数の伸びが著しいハイテク産業や人材派遣業での組織化が進んでいないという事情がある。労組が、これらの雇用構造の変化に対応しきれないまま、経済成長の 鈍化が始まり、労組の勢力が強い自動車産業などで人員削減が進行している。

1999年には、組織率は98年と同じ13.9%であったが、総組合員数が98年の1621万人から1648万人に増加したため、アメリカ労働総同盟・産別会議(AFL-CIO)は、組織化が成功しつつあると歓喜していた。それだけに、新たな統計は、AFL-CIO幹部を意気消沈さ せる数字となった。AFL-CIOのマーク・スプレイン組織化部長は、今回の数字にがっかりしたと認めながらも、「エンジニアや他の専門職を対象にした組織化に成果を上げつつある」とした。

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