シャングリ・ラ・ホテル、クリスマスのスト等で大損失

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年3月

2000年のクリスマス直前のジャカルタで12月22日、5つ星ホテル、シャングリ・ラ・ホテルで従業員によるストライキが発生した。

食品・飲料、ルームサービス担当の従業員ら約500人のスタッフが、年功序列や階級によって決まるサービス料金をそれらに関係なく平等に配当することや退職年金の支給、イドゥル・フィツリ(イスラム教の断食明けのお祭)とクリスマス手当として4カ月相当のボーナス、ホテル労組代表の解雇の取り消しなど12項目を求めて、ストライキに入った。このため、サービスの低下を心配した経営側は、宿泊客をホテルにほど近いマンダリン・ホテルへと移動し、対処した。

ジャカルタのシャングリ・ラ・ホテルには、1150人の従業員がおり、そのうち990人が組合に加盟している。

結局、ストライキによる混乱から、ホテルは12月22~26日の間操業停止に追いこまれ、損失額は18億ルピア(約180万米ドル)に上ることが明らかになった。損失額には、売上予定額以外にも、ホテルの設備の修理費、ストライキ中に従業員に消費された食費、苦情を訴えた顧客への補償などが含まれている。

経営側としては、年に1度の大イベントであり、収入増を見こめるクリスマスとイドゥル・フィツリ期の操業停止だっただけにショックが大きいようである。

このストライキの結果、経営側では、110人の従業員を解雇することを発表したが、従業員側は拒否。1月5日には、数百人の従業員が国会に支援を求める運動にまで発展した。

シャングリ・ラ・ホテルは1971年にシンガポールで操業を開始し、現在では香港を拠点に、アジア各地に37カ所のホテルを経営している。インドネシアにはジャカルタの他、東ジャワのスラバヤにもホテルがある。

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