日系3社、ウェールズから大陸へ生産移管
ポンド高ユーロ安による収益悪化を回避するため、生産を英国から欧州大陸へ移管する日系企業が後をたたない(本誌2000年10月号参照)。今回はソニーと松下電器産業が、ウェールズから大陸への生産移管を決定した。
ソニーは10月16日、ウェールズのペンコイド工場の低価格小型テレビ生産をスペインとスロバキアの工場に移管する方針を明らかにした。理由についてソニーは、ポンド高ユーロ安によって欧州大陸への輸出が困難になっていることに加え、ガソリン料金の急騰で英国内の輸送コストが嵩んでいること、環境税の導入で今後50万ポンドが事業コストに加わること、を指摘している。これに伴う人員削減は400人、同じくウェールズにあるブリッジエンド工場は今回の削減の対象には入っていない。
労働組合会議(TUC)のウェールズ支部書記長、デビッド・ジェンキンズ氏は、現在のポンド高が続き、また、ユーロ参加への明確な意思表明がなければ、投資は欧州大陸へ移動し続けるであろうと警告している。
松下電器産業は10月24日、ウェールズのカーディフ工場のテレビ生産をチェコ工場に移管し、従業員1300人を削減する方針を明らかにした。理由について同社は、ポンド高ユーロ安による収益悪化と、大量生産から「価値生産」への移行をあげている。
ほかにポンド高ユーロ安に懸念を表明している日系企業には、家電メーカーのパイオニア、アイワ、日立、トヨタ、日産、本田、エンジニアリングのコマツ、などがある。
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