失業が大幅に減少

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年1月

10月31日に発表された数字によると、求職者数は9月に5万8600人減少(-2.5%)して、227万200人となった。期間の定めのない仕事を探している失業者数の減少幅は、年間で43万人近くに達した(-16%)。月間に78時間を超える労働に従事した人たちを含めると、国立職業紹介所(ANPE)に登録していた失業者数は272万2000人になるが、この指標も月間で1.8%、年間で15.3%の減少を記録した。9月に記録されたこの大幅な減少により、ILO の基準に基づく失業率も9.5%へ低下した。

この数カ月間、景気に関してあまり喜べない数字が続いていたが、この9月の失業統計が雰囲気を和らげてくれることは間違いない。期待されていたにもかかわらず、1カ月の乖離があって発表される月間失業統計は、雇用や経済の動きを表す指標と同様に、夏以降、力強さが薄れていた。家計消費は予測を下回り、7月には貿易赤字が出現し、フランス人の志気は低下していた。失業統計もこのような沈滞を逃れられなかった。7月の求職者数は、突然8500人ほど増加(+0.4%)したからである。2年ぶりに傾向が反転したことになる。この後、8月にはほぼ同じ数(8800人)の求職者が減少したが、不安は治まらなかった。それに加えて、フランス企業運動(MEDEF)が週35時間制に対する闘いを再開した。この使用者団体は、ファビウス経済相を筆頭とする閣僚たちの前で意見を表明する機会があったときに、局地的な人手不足と成長率が大きく落ち込むとの見通しの狭間にある中小企業の状況を強調した。

ギグー雇用相が強調したように、9月に記録された5万8600人の失業者数の減少は「今夏以降の不吉な出来事を吹き飛ばし」、安心感を与えてくれる要素を提供した。9月の数字は、昨年9月の8万3600人には及ばないものの、この2年間に記録された1999年7月の5万2600人や2000年5月の5万3300人と並ぶ大きな減少幅だったからである。

今回は、若年者も、高齢失業者や長期失業者も、例外なく恩恵を受けている。解雇は減少しているが、依頼退職は6%増加した。雇用の回復が特に感じられるのは25歳未満の男性で、ANPE に登録しているその割合は月間で6.5%、年間で21.6%低下した。2年間失業状態にある長期失業者の割合も同様に、月間で3~4%、年間で23.1%低下した。

社会復帰最低所得(RMI)制度の受給者も、首都圏において年間で4%減少した。これは、ANPE「新規スタート」プログラムが成果を挙げている証拠だとも言えるだろう。このプログラムは、最も厳しい状況にある求職者へ個人随伴制度(個別的就職支援措置)を導入する目的で1998年に実施されたが、これが、使用者、CFDT、CFTC、CGC によって調印された失業保険協約の承認を拒否する政府の立場を正当化する大きな根拠となり、協約案の大幅な修正が求められることになった。

ところで、政府の専門家がロカール首相時代(1988~90年)と1997年以降とを比較した雇用創出数を調査し、その数字を発表したが、前者が3年間で53万人であるのに対し、後者は130万人に達している。政府はこの比較に基づいて、週35時間制が失業の大幅な減少に貢献していると主張している。チボーCGT書記長は、10月31日にギグー雇用相と会談した後、「中小企業の労働者を労働時間短縮の適用除外とすることは、大臣の心づもりにはないように思われる」と述べている。

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