生産性向上努力、給料に反映されず
政府の応用経済研究所のエコノミストが行った研究によると、調査した42部門で1991~98年の労働者1人当たりの生産性は、年間平均2.5%増加、期間全体では19.1%増加しながら、この期間にGDPに占める雇用者所得の構成割合は、45%から37%に下がった。ただ、この低下はこれだけ給料水準が低下した意味ではなく、資本利益(税引き後の企業利益)は33%から41%へ増加しており、近代化生産投資の拡大も、雇用者所得の割合を下げた原因となっている。また、ちょうどこの期間は、大量失業時代と重なったために、所得向上よりも職を守ることが優先し、生産性向上分に相当する要求を労働者が控えた時期でもある。さらに、この時期に労組は、労働者を結集する力を失い、要求に向けて労働者の動員が困難となったことも、生産性の上昇に給料がついていけなかった理由の1つとなっている。
研究者によると、年間2.5%の生産性上昇は途上国としては低すぎ、ブラジルの場合は4%を必要としている。外国企業が進出したり、外国との競争が激しい部門は、高い生産性を達成しているが、そうでない部門もある。一方、大規模生産と合理化は製品価格を下げているが、研究者は、その生産コストの低下が消費者物価に反映されておらず、給料にも反映していないとしている。
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