業種別の給料格差が縮小

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年12月

業種別の平均給料は、常に製造業がトップに立っており、これにサービス業が続いている。他方、比較的学歴と技術を要求されない土木建設と商業が最も低いと言われてきたが、ブラジル地理統計資料院の発表では、わずかではあるがその格差は縮まりつつある。

2000年上半期と前年同期を比較してみると、実質平均収入は建設部門が5.12%上昇、商業も2.48%増に対して、サービス業はマイナス3.34%、製造業も3.59%低下した。この期間に建設では前期比で雇用が3.7%、商業も同2.7%増加しながら、平均収入が増加していることは、新規採用者の初任給が下がっていないことを証明するものと、労働市場に詳しいコンサルタントは分析している。

製造業は雇用を3.2%、サービス業は3.9%増加させたが、収入は低下した。前出のポシマン教授によると、製造業とサービス業の収入低下は、この部門の経済回復がまだ低い給料の労働力採用で間に合う形で起こっている結果だと見ている。また、長年続いた大量失業時代に、労働者は学歴や技術習得の必要を感じそれに対応した結果、新規募集に対する競争が激しくなっており、これも製造業やサービス業の収入低下につながったと見ている。商業労働者の収入の上昇は、最近、都市の小売が巨大なショッピング・センターやスーパーに集中して、町の中小小売商が消滅していることが原因として指摘されている。

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