学卒者採用に積極的な企業増える

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年12月

最近では大学に直接連絡を取ったり、採用説明会などに参加したり、大学と協力して学生の職業訓練をする企業が増えている。

いくつかの大学と協力関係にあるヴィエト・ティエン衣服製造会社によると、卒業生を再訓練して、技術や管理能力を培う必要はあるが、学卒者は、専門的な知識を発揮したり、将来の管理職になることが期待されている。同社は、9000万ドン(100ドン=0.75円)をホーチミン市内の3大学に寄付し、優秀な学生を対象にした奨学金支給を今学年度(2000年に卒業する学生)から開始した。その3大学の1つ、ホーチミン市の工科教育大学のチャン・ティ・テェウ生活経済学部長によると、1994年以来、いくつかの企業が、卒業生を採用するために大学側と接触している。

その中でも、ヴィエト・ティエン衣服製造会社とサイゴン第3衣服製造会社が同生活経済学部に多額の寄付をして、1995年から、いくつかの講座を設置した。ベトナム企業と大学が結びつきを強めている産業に、石油産業や情報通信技術産業があり、これら2産業だけが、技能労働者の採用にあたり、多国籍企業と競争関係にある。

外国企業は、以前から合同会社説明会を開いて卒業生を採用してきたが、ここ2、3年ベトナム企業も合同会社説明会に参加することが多くなった。合同会社説明会に参加したキン・ドー社によると、これまでよりも質が高く、適性のある学生を採用することができた。

情報通信技術産業の使用者団体であるホーチミン市情報科学協会は、13人の優秀な学生に奨学金を給付した。これは、金融・技術振興(FPT)社が提唱し、同協会に属する諸企業が3年前に開始したもので、ホーチミン市内のすべての総合・単科大学で情報通信技術、情報科学、数学を学ぶ3、4年生を対象とし、同協会の会員がこれらの専門技術者を採用することを視野に入れている。

FPT社は優秀な学生をパートタイムで採用し始め、2000年1月中旬より30人の学生を週24時間労働、月給50万ドンで雇用している。そして6月には、卒業生6人を公式に採用した。

中小企業は通常、加盟する協会を通じて採用活動を行っている。また、学生援護センターは、地域企業や研究所など40法人が主催する、学生を対象とした実習制度を持っている。同センターに関わっている企業の多くは、学生を実習生として雇用しており、長期雇用にふさわしい学生を見つけようとしている。ホーチミン市プラスチック製造商工会に属する800社も、ホーチミン市国立大学、工科大学と協力して学生を対象にした実習制度を持っている。

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