「官僚の30%を女性に」、女性相が呼びかけ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年10月

ホフィファ婦人問題担当国務大臣は、1999年の11月に就任以来、公務員の上級職に女性を登用することを呼びかけ続けているが、結果が現れていないことに対して非常に残念であると、2000年7月7日の現地紙ジャカルタ・ポスト紙のインタビューで語った。ホフィファ大臣は、「他大臣が高い地位の人材を起用するときには、男性が想定されている」ことに疑問を呈し、部下に高等教育を受けさせる場合には、少なくとも30%を女性とすることを定めた書簡を各大臣に提出した。そして、女性のエンパワーメント(地位向上などを意味する)のためには、政策決定が行えるような役職に女性を起用することが必要であることを強調した。

国務省は、ジェンダー問題に関する指導書を、各省庁で他の開発プログラムと統合した形で作成した。特に、その指導書において、各省は政策決定の場に女性人材の30%の枠を設けることが義務づけられることになる予定である。

インドネシアの公務員は、高いランクの職につく前に、国立行政研究所(LAN)と呼ばれる機関でさらに教育を積む義務がある。そして、LANでの教育を受ける人は大臣の推薦が必要になる。しかし、実際に LANで教育を受けるのはほとんどが男性である。その理由としては、女性が高い地位につくことは、妻や母親としての家庭内の役割と仕事がうまくいかなくなるだろうとの固定概念が考えられる。

1998年の統計によれば、IV/DランクまたはII階級の女性公務員は、男性2839人に対して267人、IV/Eランクまたは・階級の女性は、男性1093人に対して、わずか83人となっている。

女性の権利に関する活動家ヌルシャバニ・カジャスンカナ女史は、高等教育に対する女性の人数枠を設けることは、男性に対して優遇されていることを示しているわけではないと述べ、男女の平等化のためには、まず男女の足並みをそろえることが重要であることを強調した。そのためには、女性の人数枠というアファーマティブ・アクションが必要であることも付け加えた。

「女性に対するすべての差別を撤廃するための国連会議」において、男女の平等を図るために、一時的に特別な方策を講じること(そして、その目的が達成された後にその制度を廃止する限りにおいて)は、差別とはみなされないことが報告されている。

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