新失業保険協約:調印はCFDTとCFTCの2団体

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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2000年6月29日、フランス企業運動(MEDEF)、中小企業総連盟(CGPME)、手工業者職業連盟(UPA)の経営側と、民主労働同盟(CFDT)、キリスト教労働者同盟(CFTC)の2労働団体は、新失業保険制度UNEDIC(全国商工業雇用協会)協約の内容で合意に達した。2003年12月31日までの適用を目指すこのテキスト(法文)は、6月14日に調印された暫定協約に基づいて作成された。

失業手当はもはや失業補償ではなく、「雇用復帰援助手当」となる。この手当を受給しようとする場合、2001年1月1日以降の新たな失業者は全員、契約によって雇用復帰援助制度(PARE)に参加しなければならない。この協約案の内容は、6月28日にオブリ雇用相に伝えられた。雇用相は、当局の承認を待つこのテキストについて、何らかの意見を表明しなければならない。一方、この協約案への調印を拒否している労働総同盟(CGT)、労働者の力(FO)、管理職総同盟(CGC)の3団体は対案を作成した。

今回の協約案は、UNEDICと国立職業紹介所(ANPE)の役割を明確に区別している。各求職者との PAREの締結は、民間機関の ASSEDIC(地域商工業雇用協会)に任されるが、求人の募集と情報伝達は依然としてANPEが担当する。ポストや職業訓練を提案するのはANPEである。しかし、この制度を管理し、各手当受給者の「個人行動計画の良好な展開を2~4週間間隔で」確認するのは、ASSEDICになる。使用者は、引き続きANPEへ求人情報と「提案に対して実現された結果」を伝えていく。しかし、使用者が雇用に関する「予測調査」を提出するのはUNEDICになり、職業部門ごとに年次総括が行われる。

新協約案によると、失業者が「正当な理由なしに」、個人行動計画への参加、評価面接への出席、あるいは「勤勉に」職業訓練を受けることを拒否した場合、手当の支払いが打ち切られることになる。就職を拒否した場合も、最初に警告書が送られてから、手当が20%削減され、最終的には打ち切られる。不服申し立ては拒否されないが、ASSEDICの労使同数委員会へ15日以内に提出されなければならない。

2001年1月1日以降、すべての新たな失業者は、PAREへ登録する以外に選択肢はなくなる。しかし、この日までにすでに登録している求職者は PAREを選択することもできるし、PAREのモデルケースの場合に、給付が漸減しなくなると知ったうえで、現行システムにとどまることもできる。拠出水準も段階的に引き下げられ、2002年7月1日からは使用者が3.23%、労働者が1.67%となる。しかし、協約案には、「2003年までの適用期間全体を通じて、収支の均衡が守られなければならない」と明記されている。換言すると、調印した労使は、拠出水準の再引き上げから手当の「漸減性の復活」まで、防衛措置を講じることができる。

協約案の中ですべての調査機関から--そしておそらく、失業保険制度の管理からも--排除された非調印団体は、新しい補償措置を受け入れることができなかった。非調印団体は共同声明の中で、補償範囲の改善、解雇を防ぐ企業の責任、そして再就職の援助という3つの側面を強調した。CGT、FO、CGCの3団体は、新規交渉の開始を要求し続けている。オブリ雇用相も交渉の継続を呼びかけながら、暫定的な現行協約の延長を可能にするためにデクレ(政令)を準備している。

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