失業保険制度:労使が改革の枠組みで合意

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年8月

2000年5月24日、すべての使用者団体(MEDEF、CGPME、UPA)と労働団体(労働総同盟CGTを含む)が次期失業保険協約に関する前文の内容について、基本合意に達した。テキストでは、中心的な大原則(失業補償に関する労使共同的措置の維持、契約主義および労使共同運営の継続など)が再確認されたほか、MEDEFが提唱している「雇用復帰援助協定」(もはや雇用復帰援助契約ではない)など、今後の話し合いの枠組みが定められている。これまでのところ、単なる意図の表明という意味合いのこの前文のテキストは、協約が締結された場合にのみ署名される。

前文の事前的起草によって、交渉者たちは雇用復帰援助協定の具体的な方法に関する反対を一時的に乗り越えることができた。労働側は前文の中で、自分たちが主張したいくつかの原則が確認されていることを歓迎している。たとえば、困難な状況にある若年者や長期失業者については、その特殊な状況が考慮されることになった。また、雇用復帰援助協定は何といっても「協定」(したがって、任意ベースで実施される)なので、各求職者と制度との関係の「契約的」意味は二次的なものに追いやられた。しかし、「すべてはこれから決定される」ことになる。前文の中に求職者の補償条件の「改善」原則が謳われているが、労働側は具体的に形でそれれをまだ獲得できていない。

MEDEFは、制度と求職者との関係の「契約化」を通して、求職者の「権利と義務」にこだわっている。そして、将来的な措置を実施するために、当局(ANPEを含む)との「協力による新たな関係」の原則を主張している。

雇用復帰援助協定に関するパラメーターは、これから決定される。それが、補償を受ける失業者にとって制度的(義務的)な性格になるのか、それとも任意的な性格になるのかについてもこれから話し合われる。前文では、労使が雇用復帰援助協定を推進していくとだけ記されている。しかし、従来の転職協定を参考にしている労働側は、この措置の潜在的コストがこの措置のターゲット設定に有利に働くと主張した。この趣旨で、「誘導と同意」の措置へと向かうことができるだろう。必要ならば、若年失業者と長期失業者のために別の提案が行われる。

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