第1四半期の失業率が過去最悪、今後は下降へ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年7月

ブラジル地理統計資料院の発表によると、6大首都圏で測定する公式失業率は2000年2月の8.2%が3月に8.1%となった。これで第1四半期の平均失業率は7.9%となり、第1四半期の失業率としては、1983年にこの調査を開始して以来の最悪となった。しかしこれが頂点であり、今後は下降するものとみられている。ただ、給与水準の低下傾向は依然止まる期待はない。

雇用はすでに2000年3月から増加に転じており(3月の雇用増加は珍しい。)、しかもこの雇用増加は突発的現象ではない。各経営団体の調査にも企業の雇用増加意欲が反映されており、内国工業連合会の発表によると、今後6カ月内に新規採用を開始する予定の企業は、1999年第3四半期の17%から2000年第1四半期には21%へ増加した。政府系の研究機関であるゼツリオ・バルガス財団の調査でも、経済回復の兆しを受け、従業員を減少させようとする企業よりも、新規採用を予定している企業の方が増加した。ちなみに1999年上半期までに48カ月間、雇用を増やすよりも解雇を予定する企業が多い時期が続いた。

内国工業連合会の調査によると、2000年4月の工業設備利用率は平均83%になっており、4月の結果としては過去20年間で3番目の高率利用となっているが、まだ雇用の増加、給与水準の回復までには至っていない。

地理統計資料院の発表では、2000年2月の給与生活者の平均収入は、前年2月に比べて3.4%低下した。サンパウロ首都圏では、5.9%の低下となっている。ゼツリオ・バルガス財団の調査によると、各種業種1305社の経営者の61.4%が将来に期待を強めており、1994年4月の62.9%に次ぐ高率となった。特に工業部門で強まっている。

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