海外就労者に渡航前訓練義務づけ
今後、海外での就労を希望する労働者は、海外の就労査証(ビザ)を申請する前に職業訓練課程に参加し、修了証を得ることが義務づけられる。2000年2月22日に労働・傷病兵・社会問題省(MoLISA)が同決定に署名、同年3月1日より施行された。その目的は、ベトナム人労働者が国際的な労働市場で高い能力を発揮し、高い評価を得ることにある。
修了証を得るために労働者は、MoLISAが承認したセンターで職業訓練課程を終えなければならない。それぞれの課程では、労働者に、労働法、民法、刑法、出入国管理法、外国滞在のための条件などを教えることも義務づけられる。労働者が、職業訓練課程を終了すると MoLISAの海外労働者管理局から修了証を得ることができる。MoLISA職員によると、修了証を得ることは、それほど難しくない。
同決定はまた、海外に労働者を派遣するすべての企業や組織が、適切な訓練を受けた労働者のみを海外に送ることができることとし、これに違反した組織は法廷で処罰を受けることになる。
職業訓練が行われる施設は、MoLISAが運営するハノイとホーチミンにある国際労働協力センター(2カ所)、MoLISAが承認した各企業の職業訓練センター、そして全国24カ所にある職業訓練校と職業訓練センターである。
今回政府が職業訓練を義務づけることになった背景には、ベトナム人労働者が海外でタイ・インドネシア・マレーシア・フィリピンからの労働者と激しい競争をしなければならないということもあるが、国内の失業問題を改善したいという事情もある。1999年のベトナム全国の失業率は6.7%、ハノイで9.0%、ホーチミンで6.9%であった。政府の統計によれば、2000年に海外に派遣される労働者は2万5000人から3万人に上る予定で、主として韓国、日本、ラオス、台湾、そして中東諸国で就労する。1999年に海外で労働契約を得た労働者数は2万1800人で、1998年に比べ9%増加した。その多くは、衣服、繊維、電子機器などの製造業、建設業、漁業に従事している。
2000年7月 ベトナムの記事一覧
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