2001年までに公的部門労働者を15%削減

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年7月

政府は2000年4月上旬、2000年から2001年までに公的部門(政府と公的企業)の雇用者数を15%削減する計画を発表した。政府人事委員会のトー・ツー・ハ副委員長によれば、その目的は公的部門を効率化することにあり、職務能力のない公務員をもはや雇用し続けるわけにはいかず、公的部門における余剰労働者は職を失うかもしれない。現状では、地方政府職員の17%が、また中央政府職員の28%が余剰人員になっていると考えられている。政府人事委員会は、中央・地方政府が人員削減するための諸施策を提案している。その施策のいくつかは次の通りである。

  • 政府のすべてのレベルの責任者は、新事務所を設立したり、公式の賃金台帳に記載される従業員数を増やしてはならない。もし新事務所を設立する必要があれば既存の人員だけを用いなければならない。
  • 政府機関と公的企業が新たな人員を採用できるのは、省庁や地方当局などが作成した人員削減計画を政府が承認した後に限られる。
  • 45歳未満の職員で職務遂行能力に欠けている者には、他の職に就くために必要な職業訓練の機会が与えられる。
  • 省庁や地方当局などは、その支部単位が、政府職員や政府予算を使わずに今までと違った形のサービス提供を開始するための良好な条件を整えるべきである〔この目的は、人員削減の対象になりうる職員に職を与えることである〕。

労働者の権利

人員削減によって影響を受ける労働者の権利を守るための施策も同時に発表された。もし公的部門労働者が、準公的組織に移った場合には、以前と同じ権利を享受し続けることができる。また、この場合、新たな職で3カ月分の給与が支払われる。早期退職勧奨に応じた者は、優遇された扱いを受け、高い水準の諸手当を得る。例えば定められた退職年齢よりも早く退職した場合、失業手当として、引退を早めた年数の1年ごとに3カ月分の給与を得ることができる。また公的部門から給与を受けている労働者が、自主的に退職した場合、勤続年数に応じて4カ月から12カ月分の給与を得る。このような人員削減を進めていくために政府が2年間に費やす費用は、約7000億ドンに達するであろうとトー・ツー・ハ副委員長は述べている。

1994年から1999年までに、政府によって雇われた労働者数は、22万6000人増加した(年平均で4.8%増)。ホーチミン市の行政部門だけでも、現在8万人が雇用されている。行政部門の非効率と公務員の汚職が大きな問題になっているが、数名の地方政府職員は、十分な職務能力がない公務員を解雇することによって地方政府の効率性が高まるであろうと述べ、人員削減の必要性を認めている。

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