シッキム州、失業が社会不安の要因に
シッキム州パワン・クマル・チャーリング首相は、カルカッタからの報道機関との記者会見の席で、失業者の増加が州に社会不安をもたらしていると警告し、問題解決を促進する総合的な機関の設置の必要性を力説し、「前王朝がインドと合併して以来25年、国境のあるこの州で平和を維持するのは、インド共和国に対する我々の最大の寄与である」と付け加え、「シッキム州は、インドと感情的にも統合した。そして、我々はインド人であることを誇りに思う。我々は、ヒンドゥスタン人であることを誇りに思う」と述べた。
チャーリング首相は、現状について次のように説明した。シッキム州は、保安部隊が、常時、州の反国家的要素の存在に注意を払ってきたので、隣国の地下活動の影響を受けていない。教育を受けた若者の失業問題を考慮すると、暴動発生の可能性がある。今後このような暴動の発生を未然に防ぐためあらゆる予防的な政策が必要である。特に、中央政府は、若者の大量雇用について計画を組織的に作成すべきである。
また、チャーリング首相は、財政・経済問題については、以下のように説明した。シッキム州は、ジャムー州やカシミール州より財政援助を与えられるべきである。政府系の銀行からの投資は非常に少ない。バジパヤ首相は、シッキム州の要求に対して敏感で、民間企業にこの地方に投資するよう促しており、州の水力発電の投資に対する好機でもある。また教育機関の設立に対し土地を提供することを提案している。シッキム州は、企業が支障なく投資できるように、他の州と接続する複線の幹線道路の建設を要求している。
さらに、チャーリング首相は、州は、中央政府と良好な関係を保持し、中央政府は、州の発展を援助してきたが、過去の未処理の残務を処理する財政的援助が必要である。現在、財源の80%は債務の返済等に使用され、20%だけがインフラの整備に使用されている。
なお、シッキムは、17世紀以来王朝が存在していたが、1890年のイギリスと清朝によるシッキム条約によりイギリスの保護国となった。1947年には独立したインドが、イギリスからシッキムに対する権益を継承し、1950年にインドの保護国に、1975年にはインドの1州になり王政も廃止されている。
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