期待される児童労働撲滅への労働組合の関与

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年6月

タミルナード労働研究所でのセミナーで、労働組合は、児童労働撲滅に対し極めて重要な役割を果たすと発表された。

セミナーの開会式で、タミルナード州ラジナサニ労働雇用大臣は、次のように発言した。中央・地方政府ともに、児童労働を禁止する法を制定しているが、未だに児童労働が行われている地方も多い。最近の統計によると、タミルナード州では、約1万人の児童が様々な産業で働いている。児童労働は、様々な組織が協力して撲滅しなければならない社会的犯罪であるが、労働組合幹部が、児童労働に対する公衆の関心を喚起するうえで、非政府組織と協調して対応することを希望する。労働組合の協力があれば、その地域でも撲滅運動の大きな効果が期待できる。この運動は、児童の健康と安全に関係する産業での児童労働を撲滅するうえで非常に重要である。

大臣は、州政府は就労中の児童が学校生活に復帰できるように、児童を雇用した使用者からの罰金16万ルピー(1ルピー=2.42円)の他に、4750万ルピーを準備したと述べた。

イマニュエル・ザンガラジャン所長は、セミナーは、あらゆる産業における児童労働の撲滅のために労働組合の協力を求めて開催されたと述べ、セズラマ・サボア研究員は、様々な機関が協力すれば、児童労働を根絶することは可能であると強調した。

タミルナード州は、特に最近飲食業での児童労働が問題になっている。全インド労働組合会議(AITUC)T.R.S.ナミ書記長は、労働組合の運動が児童労働撲滅に対し十分でなかったという批判に対し、児童を飲食業の仕事場から連れ戻す前に、児童の労働収入の代わりに生活を維持するものを提供することが重要だと強調した。

また、インド労働組合センター(CITU)チャンドラセカル書記長は、最低賃金が、労働組合のあるなしにかかわらず、すべての部門に適用されなければならないと述べた。この方法のみが、両親を惨めな状態から救済し、したがって児童労働も根絶できると主張し、ホテル経営者協会は、彼らがホテルで雇用した児童の教育のために基金を積み立てる決議をすべきだと述べた。

また、州の児童労働撲滅主唱者の中には、児童に労働をさせたものには、禁固刑とともに少なくとも2万5000ルピーの罰金を科すべきだと主張するものもいる。

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