FO大会閉会・ポスト・ブロンデルをめぐる戦いが始まる

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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2000年3月7日にマルセイユで始まった第19回労働者の力(FO)大会は10日に閉会した。大会が過去4年間の活動を承認したことにより、全国同盟委員会(FOの「国会」)は11日に、6557票(有効投票数6831票)でマルク・ブロンデル氏を書記長に再選した。同書記長は最後の4期目の任期を務めることになる。10日に提出された活動報告書は97.8%という高い得票率で承認されている。1996年の78.1%、1992年の84.2%と比較しても、これは異例の高い数字になる。

新指導部が選出され、第19回大会が終わると同時に、ブロンデル氏の後継者争いが始まった。ブロンデル書記長の最後の任期が切れるまでの4年の間、2つの陣営がしのぎを削り合うとみられている。一方はFOの「伝統的改良主義」路線を代表するジャン=クロード・マレ社会保障担当同盟代表であり、他方は極左労働者党のイデオロギーに影響を受けた「階級闘争」路線を標榜するルネ・バラドン国際問題担当である。そして、前者が後者に対して――決定的ではないとしても――大きなリードを奪った。すなわち、マレ派が全国同盟委員会の選挙によって同盟事務局と執行委員会で明らかな優位を獲得した一方、バラドン派は勢力を後退させ、各指導機関で支配していた40%の票を33%へ低下させた。

おそらく、労働者党勢力はその立場を印象づけようとして、少々やりすぎたのであろう。7日、ブロンデル書記長による開会の挨拶の後で、実際には反論者がいないにもかかわらず、再三発言を繰り返した。書記長自身も一部のテーマについては激励の合図を送っていた。しかし、労働者党支持者たちが、FOは3月16日(財務省職員と教員のデモが予定されている日)に大動員を実現して、この日に別の意味を与えるべきだと要求すると、書記長は留保を示し、この提案は結局10日の本会議で否決されることになった。

マレ派は「強くなりすぎた労働者党の影響力を逃れるためには、指導機関の均衡回復が望ましい」と考えていたが、結局、同盟委員会は同盟事務局(14人で構成)のメンバーとして、マレ氏のほか、穏健派のアンドレ・ルレ前財務局長やその後継者であるローラン・ウー氏など、過半数の穏健派を選出した。一方、強硬派はバラドン氏らを含めて、下位当選を余儀なくされ、後継候補争いでも後れをとることになった。また、1998年までFOにとどまっていたジャック・メレ派が全国自治組合連合(UNSA)へ去ったこともあり、執行委員会(35人+同盟事務局)も穏健派のメンバーが増えることになった。

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