地域別最低賃金、平均24%引き上げへ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年4月

労働力省による2月21日の発表によれば、2000年4月から地域別最低賃金の引き上げが行われ、引き上げ率は平均24%となる。最も高い引き上げ率となるのはアチェ州の54.97%(月額17万1000ルピアから26万5000ルピア(100ルピア=1.43円)へ)である。

現在の月額最低賃金(ジャカルタの場合、23万1000ルピア)では、多くの労働者にとって日常に必要な物を購入するには不充分である。しかし、経済の回復がまだ十分ではなく、企業にとっても大幅な賃上げは難しい。特に縫製や靴製造業といった労働集約的な製造業では、賃金の引き上げは難しいとされていた。

ボメル労相は2000年1月25日、経済の回復がいまだ十分でないために、労働者が要求している最低賃金の50%引き上げは難しいことを明らかにした。その後、2000年1月28日、同氏は2000年の最低賃金を最低生活必要水準(KHM)の90%に達するように調整することを明らかにした。これに対し、全インドネシア労働組合連盟(FSPSI)は、KHMを満たすよう1999年よりも50%増しの最低賃金を要求していた。

今回の発表では、KHMの85%しか満たしておらず、早くも労働者からは批判の声が出ている。1996年には最低生活水準の92.8%を満たしていた地域最低賃金だったが、今回の発表は更に低い水準となっている。そして、西ヌサトゥンガラではKHMの70%しか満たしていないのに対し、リアウでは105%を満たすという地域差も出ている。

1997年に地方自治法が施行されたのを受け、地域別最低賃金は地方の労組と使用者団体の協力のもと、地方政府が決定することになっている。労相は、現在の最低賃金では生活に必要な水準には到底達していないことを認識しているとし、2001年までに必要水準に見合った賃金まで引き上げることを目標にしたいと語っている。

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