1999年に約40万世帯が貧困状態から脱出

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年3月

世界銀行は1999年12月上旬、報告書『Attacking Poverty(貧困の克服)』の中でベトナムが1993年以来貧困を顕著に減少させたとした。1993年には国民の58%が貧困状態にあったが、1998年には37%にまで低下した。しかし世界銀行は、この改善は確固としたものではなく、もしも新たに一連の経済改革が導入されなければ、再び貧困に陥る人々が出る可能性があると警告している。

労働・傷病兵・社会問題省(MoLISA)は、飢餓撲滅・貧困軽減計画(HEPA)の助けもあり1999年に約40万世帯が貧困から脱出したと発表した。MoLISAによれば過去8年間に約11億米ドルをHEPAに費やした。そのうち約7140万米ドルは飢餓や貧困の克服に直接関連のある事業に用いられ、2億1430万米ドルは貧困者向けの銀行に用いられている。またHEPAは貧困者が所得を得ることを手助けするための投資事業を行っている。その事業内容はインフラ整備、貧困者への資金貸し出し、教育・医療の提供などとなっている。MoLISA職員によれば、HEPAの事業には広範な支援が寄せられ、1999年だけでも27の省庁とその下部組織、7つの大衆組織、8の市や省、22の企業から、現物支給を含め約2900万米ドルの支援があった。

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